―大人の修学旅行 8―
有名過ぎるほど有名な清水寺からすぐなのに、ご存知ではない人も多いと思います。
太平洋戦争の戦没者を弔うため、戦後間もない昭和30年に建造された巨大な観音像。それが霊山観音です。
個人的な意見ですが、ここは観光気分で訪れる場所ではないと思います。
でも、明確な意思を持って、是非一度参拝してみてほしい場所です。
京都東山 霊山観音(りょうぜんかんのん)
京都市東山区高台寺下河原町526-2
TEL075-561-22
拝観時間 8:40~16:20
拝観料 小・中・高校生150円、大学生・一般200円(紫太線香付)
観音像の内部には十一面観音、仏舎利、十二支の守り本尊が安置されています。
私は亡くなった両祖父から戦争の記憶を幾度となく聞いて育ちました。
父方の祖父は戦地として赴いた国で、戦後数か月に渡って抑留されたそうです。
母方の祖父は、予科練に在籍していた間に終戦を迎えました。
父方の祖母は、戦争の記憶についてまったく語りません。 ちらっとも、ただの一言も。
母方の祖母は男兄弟全員を戦争で亡くしています。
祖母の次兄はどこで戦死したかすら不明でしたが、近年、祖母が旅行に行った沖縄で
慰霊碑に偶然次兄の名を見つけ、そこが命を散らした場所だと判明しました。
母方の祖父が時折言っていた言葉が忘れられません。
『世の中がみんな「戦争を知らない世代」になればいい。 そしてそのうち、「戦争」すら誰も知らない世界に
なればいい。』
「法は人間の知恵の集大成」 と言ったりしますが、「知恵」 という言葉には 「物事をありのままに把握し、
真理を見極める認識力」 という意味もあります。
人間の 「負の歴史」 の最たるものである戦争から目をそらさず、誰もが自由で恐怖におびえずに暮らせる
世界になりますように…。